ニキビ・酒さ

ニキビ

ニキビニキビは、皮脂の分泌が進行し、毛穴の漏斗部(ろうとぶ)というところの角化異常によって閉塞が起き、皮脂が毛穴のなかに貯まることで発症するものです。
初期には白にきびとして自覚されますが、アクネ菌が繁殖して炎症を伴うことで赤いニキビとして自覚されるようになります。
正式名称は「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」とも呼ばれ、日本人の約90%が経験する疾患とされています。
若年層に多い疾患のイメージですが20代以降の大人でもニキビのお悩みを抱えている方は多く、決して若い世代特有のものではありません。
当院では小児、大人に関わらず炎症の悪化や治療後のニキビ痕を防ぐ目的からニキビの早期治療をお勧めしています。

ニキビができるメカニズム

毛穴には毛根を包んでいる毛包と呼ばれる箇所があり、皮脂腺と一緒に存在しています。
肌の常在菌であるアクネ菌はニキビの原因の1つです。

  1. 皮脂腺から分泌されるあぶら(皮脂)が過剰になることがニキビの原因になります。
    男性ホルモンが活発になる思春期などに多いです。
  2. 皮膚を清潔に保たなかったり、刺激が加わることで肌の角化異常を引き起こします。
    その際に毛穴の詰まりが起こって、行き場のない皮脂が溜まってしまうことで白ニキビ(面ぽう)が発生します。
  3. 進行するとアクネ菌が白ニキビの中で繁殖し、炎症を起こしてしまいます。
    この状態が赤ニキビ(炎症性丘疹)です。
  4. さらに症状が悪化するとニキビが黄色に変色します。膿(うみ)がたまった状態になると炎症部分だけでなくその周りの肌にまで被害が広がります。
  5. 炎症が真皮層、皮下組織にまで到達してしまうとクレーターに似た症状のニキビ痕(瘢痕)や赤い腫れのような凹凸のある痕になります。

ニキビ

ニキビの状態の種類

ニキビには多様な状態と症状があり、状況に応じて適切な治療が必要となります。

  • ニキビ(膿疱)
  • ニキビ(炎症性丘疹)
  • ニキビ/黒ニキビ/詰まりニキビ(面ぽう)
  • ニキビ痕の赤み(炎症後紅斑)
  • ニキビ痕の黒ずみ(炎症後色素沈着)
  • ニキビ痕の陥没した傷痕(萎縮性瘢痕)
ニキビ跡

ニキビ治療

保険診療

初期のニキビでは保険診療による治療で十分な症状改善を見込める場合がほとんどです。
まずはニキビの状態を診察において評価させていただき、必要に応じて、治療選択肢のつとして自由診療による治療方法もご提案いたします。当院ではニキビの進行状態や患者様のお悩みに合わせてご自宅のスキンケアにいたるまでご提案することが可能です。
以下、治療の際に処方しているお薬を紹介していますが、皮膚科専門医を受診してから、用法用量を守った上でご使用ください。薬剤は適切な使用をすることで効果が得られますので、個人の判断では使用しないようにしましょう。

外用薬(塗り薬)

ベピオゲル®

ニキビの原因菌を抑制し、ニキビの炎症を改善するお薬です。毛穴のつまりも解消するため白ニキビにも効果があります。

エピデュオゲル®

ベピオゲル・ディフェリンゲルで使用される2種類の成分が混合したお薬です。
1日1回の使用で、乾燥やヒリヒリする刺激感などの副作用が出る可能性がありますので、もともと乾燥肌の方は保湿剤を先行して使用するようにしてください。

デュアック配合ゲル®

膿疱や炎症性丘疹の症状も改善できるお薬です。
ニキビの予防にも効果が期待でき、日常的なスキンケアとともに1日1回洗顔後にぬるお薬です。
含有成分が常温だと分解されてしまうことがあるため、長期保管の際は要冷蔵となっています。

外用抗菌剤

特に黄ニキビや赤ニキビに有効です。

ナジフロキサシン®
(アクアチムローション、アクアチム軟膏、アクアチムクリーム)

主にニューキノロン系と呼ばれ、とびひやにきび、おできなどの治療に使用される抗菌剤です。アクネ菌などの皮膚感染症に関わる細菌を殺菌し、増殖を防ぎます。

クリンダマイシン®
(ダラシンTローション、ダラシンTゲル)

アクネ菌などの繁殖によって化膿した炎症性丘疹(赤ニキビ)などの治療に使用される、リンコマイシン系と呼ばれる抗生物質の外用薬です。細菌とたんぱく質の合成を抑制し、細菌の増殖を防ぎます。

オゼノキサシン®
(ゼビアックスローション)

細菌の感染や炎症性丘疹(赤ニキビ)を治療するキノロン系抗生物質の外用薬です。ニキビの原因菌となる細菌の動きを抑えて殺菌・抗菌効果を発揮するため、とびひなどの皮膚感染症にも効果があります。

内服薬(飲み薬)

抗菌剤

膿疱や炎症性丘疹に効果があります。外用抗菌剤とあわせて用いられることが多いです。


漢方薬

以下、ニキビで処方されることが多い漢方薬になります。症状やそのほかのお肌の悩みに合わせて処方されることがあります。

ニキビ処置

ニキビの中身を出すことで治りを早くする処置です。黄ニキビの場合は膿を、白ニキビや黒ニキビの場合は皮脂や古い角質などを押し出します。自分で行ってしまうと肌を傷つけてしまいニキビ痕が残ってしまうこともありますので、たとえ1つのニキビでも当院までご相談ください。

ステロイド(ケナコルト)局所注射

炎症を早急に改善するために、直接ニキビのしこりにステロイド剤を注射する処置方法です。
ニキビ痕の盛り上がったしこり(肥厚性瘢痕)にもケナコルトいう薬剤が効果を発揮します。
基本的には強い炎症が起きているニキビの処置に使用します。

イソトレチノイン内服(飲み薬)(自費診療となります)

イソトレチノインはビタミンAの一種です。 イソトレチノインは皮脂腺の分泌を抑制し、さらに皮脂腺そのものを小さくさせる効果があります。また、アクネ菌に対する抗菌作用、抗炎症作用に優れているため、欧米ではかなり以前から用いられている内服薬です(アメリカでは1982年に承認)。日本でもその効果に注目されていますが、厚生労働省の認可がおりてないため、保険が適応されていません。そのため自費診療でのみ治療が可能な飲み薬となっています。 重症のニキビ(強いしこりや炎症、凹凸ができてしまうケースなど)や、次から次へとニキビが発生してしまいこれまでの一般的な治療では治療が困難な方を対象にした治療法です。いわばイソトレチノインは「ニキビ治療の切り札」ともいえる薬なのです。 非常に効果が高い分、いくつかの注意事項がありますので以下の内容を事前にご確認ください。

保険治療でなかなかニキビが改善しない方は是非ご検討ください。

イソトレチノインはニキビ治療薬の中では唯一 ・これまでの塗り薬から解放される。 ・一日一回食後の内服で済む。 ・ニキビを繰り返さなくて済む。 ・いつも同じところにできる難治性ニキビの治療として。 ・重症の炎症性ニキビにも効果が期待できる という特徴があります。 通常のニキビ治療では、せっかくニキビが治ったのにまた再発してしまう、ということが多かったと思います。 元々は重症のニキビに対して使われることが多かったのですが、近年では中等度の何度も繰り返すニキビ、これまでの治療方法で効果のないニキビ、すぐにニキビ痕ができてしまう方にも使われることが多くなりました。

イソトレチノインのニキビ治療

イソトレチノインは4-5ヶ月程度の治療が基本です(1クール)。 効果が現れるまで、最初の数週間は逆に症状が悪化することがありますが、内服を継続することで2か月目以降から効果が表れてきます。 1クール飲み終わり、2クール目をご希望の場合はすくなくとも2ケ月の休薬が必要です。

イソトレチノインを使えない方

・投与期間中および投与終了後、女性は6か月間、男性は1か月間避妊をしてください。妊娠中、またはイソトレチノインを服用中に妊娠した場合、短期間のいかなる量であっても胎児に先天異常、流産、早産、死産の危険性が高いためです。 ・女性は15才未満、男性は18才未満の方。成長期で身長が伸びている方は使用できません。

容量について

欧米では0.5mg/kg-1.0mg/kgを15−20週(およそ5か月)内服する方法が普通です。
日本人の場合、体格などによる違いから0.3mg/kg程度からスタートする場合が多いようです。

副作用

重大な副作用

  • 胎児に対する催奇形性(妊娠中、授乳中は不可)
  • 炎症性腸疾患
  • うつなどの精神疾患 中等度の副作用
  • 横紋筋溶解症
  • 肝機能障害
  • コレステロール高値
  • 中性脂肪高値
  • 貧血
  • イソトレチノイン製剤、トレチノイン製剤、ビタミンAでアレルギーをおこしたことがある方

軽度な副作用

  • 肌の乾燥、かゆみ、日光過敏、赤み、ヒリヒリ感
  • 爪の変形
  • 口の乾燥
  • 鼻汁
  • ドライアイ、目の光線過敏
  • 髪が細くなる
  • 筋肉の痛み
  • 関節の痛み
  • 胃腸障害
  • 頭痛、疲労感

検査

治療前、治療後1ヶ月、その後は3ヶ月に一度は採血が必要となります。
採血項目は血液一般項目に加え、肝機能、腎機能、脂質・コレステロール値の検査が必要です。

注意点

イソトレチノインの治療期間中、治療後6ヶ月はピーリングやワックス脱毛はお控えください。
治療中の美容皮膚科治療は制限されますので、ご相談ください。また、治療後最低1ヶ月は献血ができません。

アクネトレント イソトレチノイン 価格(税込)

メニュー 初回30日分(初回2週間分) 2回目以降30日分
10mg 30錠 22,000円(12,980円) 17,050円
20mg 30錠 28,600円(15,620円) 23,980円

※採血代別途 4,950円(税込)
※未成年者の施術には親の同意書が必要です

YouTube解説

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酒さとは

酒さは慢性的な炎症疾患で頬や鼻、眉間などの顔全体に発生します。毛細血管の拡張や赤みが見られることが多く、これらの症状が数か月以上にわたって続くのが特徴です。中高年に発症しやすく、面ぽうは見られないもののニキビのような膿疱や丘疹の症状が出ることもあります。顔のほてり感や刺激感を感じることが多く、温度差や飲酒、紫外線や運動の時などに悪化することが多いことが知られています。

第1度酒さ:
紅斑毛細血管拡張型

あごや頬、鼻や眉間に赤みを帯びるのが酒さの初期症状です。徐々に突発的なものから慢性的に変わり、症状が見られる箇所の皮脂分泌が活発になったり、毛細血管の拡張が見られるようになります。飲酒や寒暖の影響で症状が悪化することもあり、肌への刺激に敏感になったり、ほてり感や痒みを感じるなどの自覚症状も出てきます。

第2度酒さ:丘疹膿疱型

第1度酒さから症状が進むと皮脂分泌がさらに活発になります。また、毛穴と同じ位置にニキビのような膿疱や丘疹が生じます。面ぽうは見られませんがこの症状が顔の全体に広がるようになります。
正常な皮膚に比べて、酒さ症状のある皮膚は赤みが強く出ます。肌の炎症や毛細血管の拡張によってはっきりと症状が見えます。

第3度酒さ:腫瘤型

肌に発生した丘疹が結合して腫れ物や腫瘤(こぶ)のような状態になります。
症状がここまで進行すると毛穴が広がりミカンの皮に似た肌になったり、肌の色が赤紫色に変色します。また、鼻にこの症状が現れることを鼻瘤と言います。

眼型

角膜炎や結膜炎を引き起こしたり、眼の周りが腫れてしまうことがあります。
面ぽう:毛穴を皮脂や汚れが塞ぐことで発生する膿疱や丘疹を指します。
脂漏:皮脂腺の機能が亢進することで、皮脂分泌が過剰に起こることを指します。

酒さの原因

酒さの原因は明確に分かっていませんが下記の可能性から治療方針を確定します。

  • 毛包虫という毛穴に見られる寄生虫が関係している。
  • MP(マトリックスメタロプロテアーゼ)と呼ばれるたんぱく質が増え、肌の抗菌作用を阻害している可能性がある。
  • 血管の収縮に異常をきたしている。
  • 肌に合わない化粧品の使用によるかぶれ。
  • 末梢血管が拡張しやすくなっている。
  • ピロリ菌などの細菌感染や毛包虫感染によるもの。

酒さの治療

当院では保険診療および自由診療による治療選択肢がございます。症状やお肌のお悩みにあわせてご提案してまいります。

保険診療

外用薬

プロトピック軟膏®

炎症や赤みを抑制する効果がある外用薬です。
毛細血管の拡張や皮膚を薄くする副作用がなく、長期的に使用できるメリットがあります。
妊娠中・授乳中の方は使用できません。

ロゼックスゲル®

殺菌や活性酸素除去、抗炎症、免疫抑制などの作用がある酒さの治療に使用されるお薬です。
症状の原因の1つと考えられる菌の繁殖を防ぎ、酒さ・赤み・ニキビなどを改善します。
妊娠中・授乳中の方は使用できませんので、ご了承ください。

内服薬

抗菌剤

主にビブラマイシンやミノマイシンが使用されます。


漢方薬

以下、酒さで処方されることが多い漢方薬です。皮膚の状態に合わせて処方されることがございます。

自費診療

内服薬(飲み薬)

ロアキュタン®

ビタミンAが含まれており、皮膚にある皮脂腺から出てくる油性成分(皮脂)の分泌を抑えてます。
また、細菌を減らすことで炎症を抑えて毛穴のつまりを改善する飲み薬です。


施術

フォトフェイシャル 
ステラM22・IPL
フォトフェイシャル

皮膚の赤みに圧倒的な効果を示す治療機です。これまで外用薬などでなかなか改善が得られなかった患者様へお勧めしております。


CO2(炭酸ガスレーザー)

ケミカルピーリング・イオン導入

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